AIの電力消費はどれくらい?データセンターの仕組みと課題をわかりやすく紹介
近年、生成AIの普及により、AIが消費する電力量が世界的な課題として注目されています。ChatGPTや画像生成AIを使うたび、裏では膨大な計算処理が行われ、その処理を支えるのがデータセンターです。
本記事では、
- ・AIがどれほどの電力を使うのか
- ・なぜデータセンターが必要なのか
- ・データセンターと再生可能エネルギーの動向
について解説します。

AIがどれほどの電力を使うのか?
日常生活からビジネス、産業分野に至るまで、AIは私たちの生活において欠かせない存在となっています。最近では、会話型AIとして急速に普及した「ChatGPT」がその代表例です。
「ChatGPT」の電力消費は、1回の質問あたり約2.9Whとされています。これは、一般的なGoogle検索1回の消費電力の約10倍に相当します。
AIがこれほど多くの電力を必要とするのは、膨大なデータを学習し、高度な計算処理を行うためです。そのため、AIの活動を支えるデータセンターは、単なるサーバーの集まりではなく、現代社会における電力消費の重要な拠点となっています。

なぜデータセンターが必要なのか?
データセンターとはインターネットのサービスや企業の情報システムを24時間365日安全かつ安定的に稼働させるための施設です。サーバーやネットワーク機器、電源設備などのIT機器が集中管理されるため、高度なインフラ設備が求められます。また、物理的な設置場所としての役割も果たし、機器ごとに異なる管理者や所有者が存在することも特徴です。
近年、クラウドサービスやオンラインサービスの普及に伴い、データセンターの需要は急速に増加しています。動画配信やオンラインゲーム、SNS、電子商取引といったサービスは、膨大なデータの処理・保存・配信を必要とし、それに対応するための高性能サーバーや高速ネットワークが欠かせません。さらに、企業の業務システムやセンサー情報のクラウド上での管理の増加も、データセンターの需要をさらに押し上げています。
経済産業省によると、約10年後(2034年度)の国内電力需要は8,524億kWhに達すると見込まれており、2014年度比で約6%の増加となります。*¹データセンターこの電力需要増加の中で、重要な位置を占める存在です。
データセンターと再生可能エネルギーの動向

AIやクラウドサービスの急速な普及に伴い、データセンターの増設や電力消費量は今後も増え続けることが予想されます。その一方で、地球環境への負荷を抑える取り組みも同時に求められています。そこで注目されているのが、再生可能エネルギーの活用です。
海外では、米IT大手Googleが先駆的な取り組みを進めています。Googleは2025年11月14日、米南部テキサス州に2027年までに総額400億ドルを投資して3つのデータセンターを開設すると発表しました。*²同社は2030年までに、運営するすべての送電網を24時間365日カーボンフリーエネルギーで稼働させるという目標を掲げています。*³
一方で日本でもデータセンターの建設や再生可能エネルギーの普及は拡大しています。
地熱発電開発の分野では、経済産業省が、10月31日、2050年までに次世代型の地熱発電を118地域で開発する方針を決定しました。発電所の設備容量は計7.7ギガワットの見通しで、原発7基分に相当します。
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また国内のデータセンター建設は、2023年時点で市場規模が2兆7361円に達しており、2028年には5兆円に達する見込みです。*⁴
国内外での取り組みが加速する中、地熱発電をはじめとする安定的で国産の再生可能エネルギーを活用しながら、持続可能な電力供給と環境負荷低減を両立させ、デジタル社会を支えるインフラの整備が一層重要となるでしょう。
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※1:経済産業省 資源エネルギー庁 「今後の電力需要の見通しについて」(2025年1月27日)を参照
※2:ロイター通信「グーグル、米テキサス州に3つのデータセンター開設」参照https://jp.reuters.com/markets/global-markets/FELSR2BHGZLCFNOG5UGO622HAQ-2025-11-16/
※3:Google Cloud「日本におけるクリーンエネルギーの進展」(2024年5月24日)参照https://cloud.google.com/blog/ja/topics/sustainability/new-agreements-bring-solar-energy-to-japans-electricity-grid


