わいた第2地熱発電所の建設プロジェクトについて
ふるさと熱電株式会社(以下、「当社」という。)は、熊本県阿蘇郡小国町わいた地区において、わいた第2地熱発電所(以下、「第2発電所」という)の総投資規模80億円のプロジェクトファイナンスを組成しました。
プロジェクトファイナンスには、地域と共生する地熱発電事業に賛同した金融機関(株式会社あおぞら銀行や株式会社脱炭素化支援機構)をはじめ、多数の匿名組合出資者(リコーリース株式会社、西部ガス株式会社、福岡地所株式会社、肥銀キャピタル株式会社、他)が参画しております。
また第2発電所は、2026年3月の商用運転を目指し、発電設備および熱輸送設備の工事を、東京ガスエンジニアリングソリューションズ株式会社(以下「TGES」)へ発注致します。
第2発電所の発電容量は4,995kW、想定年間発電量は約3,850万kWh※1であり、一般家庭約9,200戸※2の年間電力使用量に相当します。 これは年間約2万トン※3の温室効果ガス(二酸化炭素)の排出削減に寄与し、再生可能エネルギー開発を通じて、社会のサスティナブルな発展に貢献します。
―第2地熱発電所の特徴
(1) 地域と共生する地熱発電事業(わいたモデル)であること
・ 地域住民で構成する合同会社わいた会が主体的に地熱発電所の建設から運営までにかかわる地域共生
型の地熱発電モデル(わいたモデル)であること
・ 第2地熱発電所の収益などを使い、小国町やわいた地区の地域づくりや様々な地域活性化を実践する
こと
(2) わいた第1発電所(2015年5月運転開始)に続き、同地区での後続発電所であること
・ 当社には、地熱発電所の建設から運営までの10年間にわたる実務経験、ノウハウがあること
・ わいた地区の方々の理解、信頼関係をもとに、第2発電所に着手すること
(3) プロジェクトファイナンスを基に新しい事業スキームであること
・ 国内の地熱発電事業ではプロジェクトファイナンスの導入実績が少ない中、ファイナンス組成を実現
できたこと
・ 当社は、第1発電所のこれまでの実務経験をもとにした各種マネジメント業務(AM、PM、O&M
※4)に重点を置いた役割を果たすこと
―日本の地熱発電の現状
日本は、世界でも第3位の地熱資源ポテンシャル(2,347万kWの資源量)※5を誇る地熱資源大国です。地熱発電は天候などに左右されず発電できる安定電源(第1発電所の直近の稼働率は97%程度)でもあります。
一方で、地熱発電の有望エリアの多くは国立公園内にあり、さらに温泉旅館などの地域との共生が難しい電源でもありました。環境省でも、地熱発電を含む再生可能エネルギーを全国へ広げるためには、地域と共生するモデルづくりが欠かせないとされています。※6
当社は、地域共生型の地熱発電モデルをわいたモデルとして、第2発電所を建設することになりました。同地区以外にも、北海道弟子屈地区でも同様なモデルでの地熱発電事業を立ち上げております。
今後も、全国で温泉エリアを含む多数の拠点で多様な企業とともに同様なモデルの立ち上げを目指していきます。

肥後キャピタル株式会社、他)
※1 設備利用率を約88%と仮定し算出した。
※2 一般家庭の年間電気使用量を4,175kWhとした場合。(一般家庭の年間電気使用量は環境省HP「世帯当たり年間エネルギー種別消費量
(固有単位)および支払金額(2020年度)」を参照した。)
※3 環境省HP,地球環境・国際環境協力,地球温暖化対策事業効果算定ガイドブック〈補助事業申請者用〉(2024年6年4月改訂)に準じ、算定した。
※4 AMはアセットマネジメント業務(SPCの管理全般)、PMはプロジ
ェクト・プロパティマネジメント業務(地元調整や各種開発にかかる業
務全般)、O&Mはオペレーション&メンテナンス業務(発電所や坑井
設備などの管理全般)を指す。
※5 資源エネルギー庁, 2015年3月,「再生可能エネルギー各電源の導
入の動向について」総合資源エネルギー調査会 長期エネルギー需給見
通し小委員会(第4回会合) 資料2を参照した。
※6 環境省公式HP,「 地域共生型再エネと環境省の取組」を参照した。