Q.世界ではどれくらい地熱発電が使われている?
環太平洋造山帯が地熱利用の先進地域
世界の地熱発電所設備容量の上位3か国は、アメリカ、インドネシア、フィリピンであり、いずれも環太平洋造山帯に位置する。
第1位のアメリカは、環太平洋造山帯に位置する西海岸での地熱発電が盛ん。世界最大規模の地熱地帯であるザ・ガイザーズ地熱地帯を有するカリフォルニア州に、同国の地熱発電所の約9割が集中している。税制上の優遇措置や補助金、固定価格買取制度など、地熱発電所の建設を後押しする政策が推進されたことも要因の一つだ。
近年、地熱発電導入量の伸びが著しいのが、地熱資源量、設備容量ともに世界第2位のインドネシア。2030年までに地熱発電容量を2.5倍にする目標を掲げ、国を挙げて地熱発電導入に邁進中だ。国営・民間企業、日本の総合商社を含む外資系企業が協力し、地熱法を中心とする法体系の整備、買取価格政策、優遇税制といった施策の下で着々と導入量を増やしている。目標が達成されれば設備容量世界第1位に躍り出る。
同じく環太平洋造山帯に位置する日本の設備容量は世界第10位。地熱資源量のランキングでは、アメリカ、インドネシアに次ぐ第3位なので、日本がその地熱ポテンシャルを生かしきれていないことは明白だ。経年で比較しても設備容量はほぼ横ばいであり、税制面での優遇や規制緩和など、他国を手本にした抜本的な改革が求められる。
出所:「地熱革命が始まる」(プレジデント社)